賃貸物件を仲介する会社で、そのウリ文句として「仲介手数料半額」などという案内を見たことがあるでしょう。最近ではさらに「仲介手数料無料」と謳う会社も出てくるなどそもそも手数料という存在自体が消えかかっています。しかし、この手数料とは何にかかる経費か考えたことはありますか?
賃貸物件を借りる際には大まかに3人の登場人物が存在します。部屋を借りる「借り主」部屋を貸すオーナーである「貸し主」そしてそれらを仲介する「仲介会社」です。この仲介会社とは多くの方が賃貸を探す際に訪れる代理店の事を指します。
これまでは仲介会社が手数料として借り主から報酬を受け取っていました。これが仲介会社の基本的な利益となるわけですが、この上限は家賃の一ヶ月分と決められています。これが半額や無料になるのは何やら仲介会社が損をしているように見えますがそうだとは言えません。
仲介手数料について考えてみてください。そもそもは本来借り主だけでなく、貸し主も仲介会社によって利益を得ているはずです。
本来見つからなかった借り主が見つかることによって利益が出るのは貸し主も同じですが、これまでは慣例として借り主だけが仲介手数料を払っていたのです。実際に「仲介手数料無料」といっても仲介会社が損をしているわけではありません。これらの仲介手数料は受け取る先をこれまでの借り主からオーナーである貸し主へと移したのです。なぜこのような流れになったのかといえば、受給バランスが変化したことが理由の一つです。
これまでは賃貸の物件数に対して入居希望者が多かったため仲介会社も貸し主も強気な営業が可能でした。
しかし、最近では空き家も目立つようになり、貸し主側も焦りの色を見せてきました。そこで仲介手数料を自分らで負担してもよいので、出来るだけ多くの入居者に集まってもらおうと考えたのが「仲介手数料無料」のキャンペーンなのです。貸し主側にとっては苦渋の選択ですが、借り主の方々にとってはこれまでの高すぎる初期費用を抑える非常にありがたい流れです。ぜひ賃貸選びの際にはこれらを積極的に利用してお得に部屋さがしを行ってください。